それまでは、失業保険や生活保護もありましたが、母の収入は主に仕事で稼いだアクティブインカムのみでした。加えて、徹底的な節約で家庭を支えてきました。
いつも金銭的にはギリギリな状態でしたが、何とか生活はできていました。
しかし、母が病気やケガなどで仕事ができなくなれば、僕ら家族の生活は一気に立ち行かなくなります。考えただけでも恐ろしいことです。
事故のせいで将来に医療費がかかるかもしれないし、本来の想定より早く引退しなければならないという可能性もあります。
不安定なアクティブインカムの心配が生まれた分だけ、今後の生活や老後のための備えも考えなくてはいけません。
そうしたことに気づき、母は投資を始めたのではないかと、僕は推測しました。
とにかく、あんなお堅い母が投資を始めたことで、僕は「投資とギャンブルは違う」「投資は安心できる人生づくりにおいて必要なものなんだ」ということを肌で感じました。
(構成/増田侑真)
パックン
本名:パトリック・ハーラン。芸人・東京工業大学非常勤講師。
1970年11月14日生まれ。アメリカ・コロラド州出身。93年ハーバード大学比較宗教学部卒業。同年来日。97年、吉田眞とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」「爆笑オンエアバトル」をはじめ、多くのテレビ番組に出演し、注目を集める。「AbemaPrime」「報道1930」でコメンテーターを務めるなど、報道番組にも多数出演。2012年10月より池上彰氏の推薦で東京工業大学の非常勤講師に就任。コミュニケーションと国際関係についての講義も行っている。二児のパパ。
25年以上の投資歴があり、金融教育の講師として全国各地で講演会も行っている。
最新刊の『お金の育て方』では、「生活保護」状態から「お金持ち」になるまでに身につけた、誰にでもマネできる、お金との付き合い方を詰め込んだ。