全国的な地名度はない阿部だが、中日ファンからは絶大な信頼を勝ち得ていた。「マスター」と呼ばれ愛された男の放出には、SNS上などで反対意見が相次いだ。楽天にとってはリーグ制覇に向け大きな戦力を手に入れたことになる。

 一方、阿部が抜けて“打力の低下”が懸念された中日は、かつてチームでプレーした助っ人を呼び戻した。

「不気味なのは中日復帰のアルモンテ。前回在籍していた時には横浜で場外弾を放つなど、飛び抜けたパワーを発揮していた。30本塁打を打つ可能性もある。スペイン語しか話せない部分もビシエドがフォローするので心配ない。肉体的衰えさえなければ、長打力不足の中日にとって救世主になれる」(在京球団編成担当)

 アルモンテは中日では18年から3年間プレー。通算で打率.316(876打数277安打)、31本塁打、131打点の結果を残した。20年シーズン限りで退団し、その後は韓国リーグを経て、今季はメキシコリーグでプレー。打率.322、27本塁打、95打点と好成績を残している。日本の野球には慣れているだけに、来季は古巣でこれまで以上の活躍を見せてくれるかもしれない。

FAという派手な補強が注目されるが、トレードや助っ人との再契約も見逃せない。日本ハム、楽天、中日の編成担当者は適材適所の補強を敢行した。これらの選手がチームにハマり結果を出せれば、両リーグとも勢力図が大きく変わるかもしれない」(在京球団編成担当)

 今オフは巨人が“FA補強解禁”という情報もあったが、残留が相次ぎストーブリーグは活発化することはなかった。その一方で、トレードが6件成立するなど、地道に来季へ向けての戦力補強に動くチームも現れた。ここで触れた4人は来シーズン大きな戦力となれるのか。加入したチームは今季Bクラスに低迷しているだけに、チーム躍進のために活躍が期待される。