放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、インド映画「RRR」のおもしろさについて。
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2022年もあと一か月を切っている中、とんでもなく激おもしろい映画を見ました。既に映画好きの人なら知ってると思いますが、インド映画「RRR」です。インド映画と聞くだけで、やたら踊って長いやつでしょ?と思う人もいるかもしれない。確かに途中踊るし3時間ちょっとある。だけど、3時間どころかもっともっと見ていたくなる映画が「RRR」。
1920年、英国植民地時代のインドが舞台になっている。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため立ち上がったビームという男と、実はある思いがあり英国政府の警察となったラーマという男。
ビームは少女を救うため、ラーマは英国政府のため、敵対する立場にいるのだが、この二人が互いの素性を知らずに出会い、親友になってしまうのです。ここまでくるとわかるでしょう。ある時、お互いのことがわかってしまい、戦わなければならない関係に・・・
と、あらすじを書いてもピンとこないかもしれない。
僕はSNSで色んな芸人さんがかなりお勧めしていたので、見に行きました。やはり3時間あると気が重い。ですが、始まって2分もたたないうちに、インドの村の少女がさらわれる。
見ていて「そりゃねえよ!! ひどすぎる!!」と速攻感情移入。物語2分で、超悪い敵と、この映画の目的、見方がはっきりする。こんな掴みがすごすぎる映画、なかなかない。お手本です。
自分もそうですが、劇場にいた人が、ほぼ背もたれから背中を外し、前のめりになっていくのがわかった。
もう、ここからは超絶おもしろいアトラクションに乗ったようなもので、とんでもない展開で話が進んでいく。アクション、アクション、色々な形のアクション。
もう途中でね、拍手したくなるんです。