“生活保護”の状態から、奨学金や借金で進学したパトリック・ハーラン(パックン)さん。貧しかった少年時代から「節約」に努めてきました。しかし、節約には「良い節約」と「悪い節約」があると言います。いまさら聞けない「お金の基本」から手堅くお金を増やす方法までしっかりカバーして書き上げた最新刊『パックン式 お金の育て方』から、一部を抜粋・再編して大公開します。
* * *
■「良い節約」と「悪い節約」を区別しよう!
ここで、基本的なこととして、「良い節約」と「悪い節約」の違いを知っておいてもらいたいと思っています。
そもそも節約の意味を辞書で調べると、「無駄を省いて切り詰めること」と書いてあります。
ここで大事なのは、「無駄を省いて」という箇所なのですが、たまに「切り詰めること」ばかりに意識が向いている人がいます。
良い節約というのは、無駄な支出を減らすことです。そもそも無駄なのだから、どんどんなくしたほうがいい。
使っていないスポーツジムや英会話学校の費用とか、効果のない健康食品とか。
そういうものがあれば、ぜひとも減らすべきです。
でも、僕らのお金の支出には、無駄ではないものもたくさんあります。
最低限の生活費はもちろん、教育費や医療費など、大切な支出があります。そういうものは削るべきではありません。
たとえば、「やりたい仕事をするために大学に行かなければいけない」という人が、その学費をケチってしまうのは悪い節約です。
実際にデータとしても、日本では高卒の男性の生涯賃金は2.59億円で、大卒・大学院卒は3.30億円というもの(「ユースフル労働統計2021」)があります。
このデータをもとにして単純に考えれば、大学の学費を払えば7000万円ほど収入を増やせる可能性だってあるわけです。
投資としても学費をかけるのは理にかなっています。
しかしそもそも、学校は収入を上げるためだけに行くものではないですよね。人間関係が広がったり、新しい経験ができたり。