看過しえないのは、後鳥羽を含む天皇・上皇・親王が流刑に処されたことである。過去にも天皇や上皇が政争に敗れ流されたことはある。しかし、その場合の敵方はあくまで別の天皇・上皇(を推戴する勢力)であった。しかし、承久の乱で幕府は別の天皇・上皇を推戴していない。武士が天皇・上皇を流し新天皇を立てる、それ以上でもそれ以下でもなかった。

 天皇に仕えるべき武士が、天皇を流す。この受け止め難い現実を人々は受け入れなければならなかった。そのためには全く新しい価値観が必要となる。承久の乱は日本史上の一大転換点に他ならない。

※週刊朝日ムック『歴史道 Vol. 24 鎌倉幕府の滅亡』から

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