パトリック・ハーランさん
パトリック・ハーランさん
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 つみたてNISAやiDeCoなど、投資に関する情報を耳にする機会が増えました。しかし、投資をする前に「どうして投資をすると得なのか」をきちんと理解しておいた方が安心です。そこで、ハーバード大学卒のパトリック・ハーラン(パックン)が、金融の仕組みを厳選して1つだけ紹介します。いまさら聞けない「お金の基本」までしっかりカバーした、パックン初のお金の本『パックン式 お金の育て方』から一部を抜粋・再編して大公開します。

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■「単利」と「複利」の違いって何?

 お金を増やしたいと考えているみなさんには、「金利」についてもっと知ってほしいと思います。

 その理由は、「使うタイミングによってお金の価値が変わる」という特性を利用できるからです。

 というのも、「時間をかければかけるほど、お金は急速に増えていく」という特徴があるからです。

 実際、投資をしたり借金をしたりすると、元本の金額はすごい勢いで膨らんでいきます。

 この理由を、利息に対しても利息が付く「複利」の仕組みから説明することができます。

 まずは「複利」と対になる「単利」と比較して、ここでは説明しましょう。

 たとえば、100万円を年間10%の利益率(年利10%)で投資したとしましょう。簡単に言い直すと、1年間投資をすると、10万円(100万円の10%)の利益がある、ということです。

 ということは、10年間投資しておくと、10万円×10年=100万円が稼げます。

 つまり、最初に100万円投資して、10年かけて、倍の200万円になるっていう計算です。

 こういうシンプルな形で利益を計算する方法が「単利」です。

 これももちろんありがたいです。

 しかし、「複利」だとありがたみは、それ以上になります。

 複利は最初に投資したお金だけではなく、利息を元本に足していくから、その利息に対しても利息が付くわけです。そうするとすごいことが起きます!

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計算して、「複利」を実感してみよう!