多くの選手の契約更改も終わり、その査定に対してあらゆる声も聞かれるが、年俸が高くなればなるほど求められるハードルもまた高くなるのは当然だ。一方で前年まで実績のなかった低年俸の選手が驚きの飛躍を遂げるケースも少なくない。そんな選手のコストパフォーマンスについて、今年のベスト3、ワースト3と言える選手をそれぞれピックアップして紹介したいと思う。また、外国人選手については以前も取り上げたため、日本人選手のみを対象とした。今回はセ・リーグ編だ。
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■ワースト3位:坂本勇人(巨人・推定年俸6億円)
【成績】83試合 87安打5本塁打33打点2盗塁 打率.286
開幕前にわき腹の故障で出遅れると、5月には右膝、7月には腰を痛めて戦線離脱するなど、レギュラー獲得以降で最低の83試合の出場に終わった。打率.286は決して悪い数字ではないものの、5本塁打と長打が大幅に減り、守備率.970というのも2011年以降では最低の成績である。今月に34歳となり、ショートとしての限界説も囁かれることが増えた。球史に残るショートであることは確かだが、シーズンを通しての活躍が厳しいとなれば当然コンバートという話も出てくるだろう。
■ワースト2位:田中広輔(広島・推定年俸1億5000万円)
【成績】41試合 8安打0本塁打1打点0盗塁 打率.200
不動の1番、ショートとしてリーグ三連覇の立役者となったが、2019年以降は故障もあって低迷。今年は開幕から守備、代走、代打などで出場していたものの6月に登録抹消となると、その後一度も一軍登録されることなくシーズンを終えた。気がかりなのは二軍の成績も芳しくない点だ。ショートは小園海斗がレギュラーに定着し、他にも有望な若手が多く、年々立場は苦しくなっている。オフには80%減という記録的な大幅減俸となっているだけに、来年は文字通り崖っぷちのシーズンとなりそうだ。