台風10号が上陸すれば今月4つ目に。過去の統計を振り返ると、8月に4つの台風が上陸したのは、1962年の1度きりですので、54年ぶり(約半世紀ぶり)のことになります。また、1962年に並び、8月として過去最多の上陸数です。

台風情報
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今後の進路や勢力は?

台風10号は、27日(土)午後3時に、再び「非常に強い」勢力になりました。非常に強い台風10号は、27日(土)午後6時現在、南大東島の東海上を、1時間におよそ15キロの速さで東北東へ進んでいます。この先、徐々に加速しながら北東へ進み、関東の東海上で北から北西に向きを変えて、30日(火)には暴風域を伴ったまま、北日本から東日本に接近、または上陸する恐れがあります。
台風10号の特徴は、接近するにつれて、強風域が広がる恐れがあるということです。台風が接近する前や上陸前から、風が強まる恐れがありますので、早めに暴風の対策を行ってください。また、28日(日)以降は、西日本に寒気が流れ込んできます。台風単体で日本に接近や上陸する際はもちろん危険ですが、台風の近くに前線が停滞していたり、今回のように上空に寒気が流れ込んでいる場合は、一層危険です。台風から離れた場所にも、発達した積乱雲がかかり大雨をもたらすことがあります。平成27年9月関東・東北豪雨の時のように、大規模な災害が起こった際は、台風だけでなく、寒気が影響しているケースが多くあります。台風から離れた、九州北部、中国、四国、近畿は28日(日)から局地的に大雨が降る恐れがあります。早めに大雨や暴風の対策を行ってください。

8月4つ目の上陸は過去最多

台風10号が上陸すれば8月に4つ目の上陸となります。過去の統計を振り返ると、8月に4つの台風が上陸したのは、1962年(昭和37年)の1度きりですので、54年ぶり(約半世紀ぶり)のことになります。
※気象庁は1951(昭和26)年から、台風の統計を整備しており、この記事における「過去」も、この統計資料に基づくものです。
日本気象協会 気象予報士 石榑亜紀子