一方の山崎はプロ1年目の2021年シーズンは大学時代に受けた右肘のトミー・ジョン手術のリハビリで実戦登板なしに終わったが、2年目の昨季はプロ初登板を果たし、5勝(5敗)をマーク。トミー・ジョン手術を受けた投手が本格的に復活する術後から2年以上が経っており、今季への期待は大きい。
今後はいかに各自が成長するかが重要になってくるが、桑田真澄ファーム総監督(前一軍投手チーフコーチ)ら、サポートする指導者陣の存在も追い風となりそうだ。
「(桑田ファーム総監督は)現役引退後に早稲田大学の大学院でスポーツ科学を学ぶなど、メカニックの専門家。リハビリ中の育成選手、身体の使い方を習得中の若手投手などの指導に適任だと思う。配置転換となり桑田真澄ファーム総監督の知識、経験が最大限に生かせるはず」(巨人関係者)
さらに一軍投手チーフコーチに阿波野秀幸氏、巡回投手コーチに久保康生氏が就任した。阿波野氏は巨人、横浜、中日でコーチとしての手腕を発揮。久保氏も近鉄、阪神、ソフトバンクでのコーチ経験があり、近鉄時代には日米通算170勝を挙げた岩隈久志を育てたことで有名だ。
「経験豊富な2人のコーチ就任は心強い。秋季キャンプから積極的な指導をして、早速、効果が見え始めた投手もいる。原監督も絶大な信頼をしている。適材適所の素晴らしいコーチ人事になった」(巨人関係者)
「堀田賢慎(21歳)、直江大輔(22歳)、左腕の井上温大(21歳)は昨シーズンにプロ初勝利を挙げた。戸田懐生(22歳)、太田龍(24歳)、ドラフト2位入団の山田龍聖(22歳)なども魅力がある。身体の使い方やコンディショニングは桑田真澄ファーム総監督、技術やメンタルなど実戦的指導は阿波野、久保両コーチが指導する。20代の若い投手には良いコーチが揃った」(在京球団編成担当)
また、育成契約となった投手も虎視眈々と一軍での活躍を狙っている。チーム内に激しい競争が生まれることも良い兆候だ。