春香クリスティーンさん(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
春香クリスティーンさん(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)

――周囲からは、うらやましがられるような存在だと思いますが……。

 思い悩んでいましたね。コメンテーターをやればやるほど、隣にいる解説員の方や長年取材している方の偉大さがわかって、もちろん私だから言えることもあったと思いますが、メディアを通して、みなさんの大事な時間を使って軽はずみなことを言っちゃいけないと。自分の欠落を埋めたくて、どういう方法がいいかを模索していきました。

――そこで活動休止を決めたわけですね。最初に向かったカナダ留学では政治学ではなく、会社経営の勉強をされています。

 はい、ビジネスに関する知識が私に欠けていると思ったからです。一度も就職していないし、会社に勤めたことも起業したこともありません。芸能人は個人事業主ですが、お金のことは税理士さんに任せているし、事務所に所属していてマネージャーさんは会社員だけど、自分はそうではありません。

 初歩的な内容ですが、人事や簿記、ファイナンス、マーケティングなど週ごとに違うテーマを勉強して、思う存分吸収できました。ホテルに住んで、朝から晩まで勉強できて。自分へのご褒美ですね。

■会社員の経験は「人生の財産」

 今の旦那さんが仕事の転勤で16年から沖縄に住んでいたので、留学から戻ると沖縄に住んでアルバイトを探しました。せっかくだから沖縄らしいことができたらと思い、ネットで求人を探して、やちむん工房で働かせてもらって。19年に旦那さんの転勤で東京に戻り、自分の武器というか、即戦力として少しでも社会に貢献できるものって何だろうと考えて、通訳学校に通い、多言語コールセンターで派遣社員として働きました。通訳や翻訳をする英文事務は芸能界復帰後も少し続けていました(22年12月末まで)。

――憧れていた会社員生活をやってみていかがでしたか。

 全然違うジャンルの仕事を、ただのぞいただけじゃなく、きちんと向き合って働けたのは、私の人生を振り返ったときにすごく財産だなと思います。キャリアとしては経歴書を見た人に「何がやりたいんだ」と思われるかもしれないですが(笑)。

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「子どもと1対1だと良くない」試行錯誤の日々