駒澤大の史上5校目の「学生駅伝3冠達成」で幕を閉じた第99回箱根駅伝。常連校が上位争いを繰り広げた一方で、2年ぶりに出場した城西大がシード権を獲得し、古豪・大東文化大の襷リレーや55年ぶりの出場となった立教大の走りも注目された。今後、新チームが始動した中で「打倒・駒澤大」から群雄割拠の「戦国駅伝」が予想されるが、今年の箱根不出場の大学の中にも来春の第100回の記念大会での「復活」や「躍進」が期待できるチームがあるはずだ。
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昨年10月の箱根予選会11位で“まさか”の落選となったのが、神奈川大だ。10人合計タイムで10位の国士舘大から34秒差の10時間49分29秒の11位。集団走が機能せず、エース・山崎諒介(4年)の欠場も響いた形で連続出場が12で途切れた。しかし、全日本駅伝の関東地区予選では東洋大、創価大、東海大を抑えて1位突破(本戦では全体12位)を果たすなど、名将・大後栄治監督の下で確かなチーム力を持っている。洛南高で高校駅伝4区区間賞の実績を持つ宮本陽叶(1年)や、その宮本を10000mのベストタイムで上回る山田基貴(1年)など成長が楽しみなルーキーを含め、予選会を走った12人中10人が3年生以下。リベンジの思いは強く、アクシデントさえなければ再び箱根路に戻ってくるはず。チームとして順調に力を伸ばせば、本戦「復活」からのシード権争いにも加われるはずだ。
さらに注目したいのが、箱根初出場を目指す麗澤大だ。第94回大会の予選会15位から12位、11位、13位と惜敗が続いた後、前回は28位と苦しんだが、今回の予選会では再び14位と“狙える”位置まで復活。1年時に学生連合の一員として箱根6区を経験した鈴木康也(2年)が個人13位(日本人6位)と好走。個人37位に入った工藤大知(2年)は、今年の箱根で学生連合の「花の2区」を担当して各大学のエースと渡り合った。留学生であるデイビッド・シュンゲヤ・ネイヤイ(1年)も楽しみなランナーで、出走12人中8人が3年生以下。コーチを経て2017年からチームを率いる山川達也監督の下、伸び盛りの選手たちとともに悲願の箱根切符を獲得するチャンスは大きくなっている。