同じくユーテリティープレーヤーで、評価が高いのが牧原大成(ソフトバンク)だ。昨年は自己最多の120試合出場で打率.301、6本塁打、42打点、13盗塁。パンチ力があり、速い球に強い。勝負強い打席でチームを幾度も勝利に導いた。規定打席に2打席足りなかったが、高い貢献度で「チームの野手でMVP」の声が多い。本職は二塁だが、遊撃、三塁、中堅と内外野で高い守備能力を誇る。スポーツ紙記者は「負けん気が強いファイターですね。10年ドラフトで育成契約から球界を代表する選手に上り詰めた千賀滉大、甲斐拓也が注目されますが、牧原もこの年の育成ドラフト5位で入団し、チームに不可欠な選手になりました。足が速くて、どこでも守れて打撃もいい。走塁のスペシャリストとして周東佑京が注目されますが、牧原が代表入りしても不思議ではない」と力説する。

 投手陣では先発の陣容が固まっているが、救援でサプライズ選出の可能性がある。注目は三振奪取率が高い2人の右腕だ。藤井皓哉(ソフトバンク)は、55試合登板で5勝1敗22ホールド3セーブ、防御率1.12をマークした。高卒で入団した広島では6年間で未勝利に終わり、20年オフに戦力外で退団したが、四国アイランドリーグplusの高知から再出発し、選手層の厚いソフトバンクで見事に素質を開花させた。

 20年の育成ドラフト3位でプロ入りした宇田川優希(オリックス)は、優勝争いを繰り広げる中で「勝利の方程式」を担った。最速159キロの直球と落差の大きいフォークのコンビネーションで、19試合登板、2勝1敗3ホールド、防御率0.81。リーグ優勝、日本一に大きく貢献した。

 坂倉、牧原、藤井、宇田川…栗山ジャパンから召集の声がかかる選手は――。(今川秀悟)