しかしその後、シャンパンに変化が起きました。兄と新たな仲間の仲が良くなるにつれ、ご機嫌が悪くなっていったのです。
シャンパンはイケメンのウイスキーお兄ちゃんが大好き。おとなになっても兄妹の絆が強く、夜は必ず一緒に寝ます。(その時はチャトランは一人寝)。
もともと友好的で物怖じしないキャラでもあるシャンパンは、チャトランが庭に来ていた時も威嚇せず、すんなりと受け入れていました。
ところがチャトランがウイスキーにくっついてばかりいると、「私のお兄ちゃんよ」といわんばかりに焼きもちを妬いて。拗ねるだけでなく、行動を起こすようになりました。自分の目の前を通るチャトランの頭を前足で押さえたり、威嚇してみたり……。
特に機嫌悪いのは朝。シャンパンはいつも真っ先に起きて居間にきて「ごはんごはーん」と食事係のパパに可愛い声で甘えます。その後、ウイスキー、チャトランが起きてくるのですが、ある時チャトランがごはんを食べにきたら、「てめぇはくるんじゃねえよ」とでもいうように、シャンパンが目をつり上げ、肩をいからせ、チャトランの耳を噛んだのです。
「わっ、女番長。シャンパンにこんな面が」と驚きました。爪研ぎをしようとしたシャンパンとチャトランが“鉢合わせ”した時は、小さな体でチャトランを押し出したことも。
優しいチャトランはシャンパンに爪とぎを譲り、すごすごと隣の部屋に移動。その姿はなんともいじましく、でも家族としてはチャトランへの愛しさが募ったものです。
このまま三角の関係性が尖り、シャンパンの女番長ヅラが激しくなるなら、先生に相談しようとも思ったのですが、大げんかするわけでもなくて。チャトランと並んでごはんを食べたり、くっついたりすることもあるので、「なんだかんだいって仲はいいのよ」と娘も話していました。実際にだんだんと落ち着き、シャンパンはチャトランを仲間として認めていったようです。
ウイスキーを中心に3匹が結束して猫団子になったり、廊下で猫会議したり。猫の社会や関係はとても面白く、チャトランはわが家に新たな楽しみと癒しをもたらしてくれました。そして、家猫になったチャトランは、すっかり毛並みもよくなり、ウイスキーに負けず劣らずのモフモフぶりです。