試験開始と同時に、手袋のサイズを学生に聞くのですが、この段階でさまざまなハプニングが起きます。手術用の手袋は一般的に使われる手袋とはサイズが違います。S、M、Lという分類ではなく、数字でサイズがわかれるのが手術用の手袋の特徴です。私は6.5か7の手袋を使うのですが、実習を真面目にやっていない医学生は手袋のサイズを聞かれてもわかりません。小さすぎる手袋を選んでキツキツの状態で縫合をする人、反対にブカブカの手袋でやりにくそうに皮膚を縫う人などさまざまです。サイズを聞かれて堂々と「Lです」と答える学生はたまにいるのでこちらも対応可能なのですが、予想していない返事は笑いをこらえるのに必死です。10年以上前の出来事ですが、一度「26.5です」と靴のサイズを答えた医学生がいて、その後の試験は笑いをこらえるのが大変でした。そんな彼もいまでは立派な医者になっています。
医学部6年間では多くのことを学びます。そして、失敗ができるのは学生のうちだけです。6年間でしっかり学び、良い医者になってほしいと思います。