■普遍性があるか、社会に対して問題意識を投げかけているか
Q:第3回朝日ホラーコミック大賞の応募作品に期待することを教えてください。
後藤:マンガでも原作部門でも、この人と何か作品を作ってみたいなと思わせてくれる方が出てきてほしいです。まだ、穴だらけだったとしても、スキだらけだったとしても、「1枚の絵が素晴らしかった」「一言のセリフがぐっと来た」とかだけでもいいんです。一緒に組んで作品を作ってみたいと思わせてくれる人が出てきてほしい。
馮:映画会社で仕事をしていますが、今は世界中のお客様に見てもらうというスタンスで配信作品を製作することが多いんですね。要は、“普遍性があるかどうか”を結構重視しています。ホラー雑誌や最近見たホラー映画もそうですが、何かしら“社会に対して問題意識を投げかけて”いる。逆に、時代錯誤的な女性の描き方をしている作品は、自分の中ではまったく引っかからないです。
「ストロベリーミルクゴースト」は、人を殺してしまった加害者としての自責の念みたいなものをすくい上げている。その描き方を通して、加害性により敏感になっている今だからこそ、どう解放してあげるのかっていうことに興味がわいて面白いと思いました。社会の合わせ鏡になっている部分に光を当てている作品が出てくると、とっても嬉しいなと思います。ただのホラーだけではきっともう、選ばれません。テーマ性や社会性などホラーと何を掛け合わせるのか。今後はもっと重要になるんじゃないかと思いました。
(取材・文/岩中菜々子、長谷川拓美)