入江慎也さん(撮影/中西正男)
入江慎也さん(撮影/中西正男)

 清掃の仕事をしていて、正直、たまらなく悔しいことがあったりもするんですよね。そんな時に、思うこともあるんです。「もう、辞めちゃおうかな。そして、キャバクラでもやろうかな」と。お世話になっている社長さんもたくさんいるし、そういう方々が来てくださるだろうし、恐らくキャバクラをやったらはやらせることはできるのかなと。

 別にキャバクラをやることは悪いことではないですし、そっちに意識が向くこともあるんですけど、そんな自分が出てくると、決まって矢部の顔が思い浮かぶんです。その結果、今に至るまでキャバクラはやっていません(笑)。

 あと浮かぶのは、自分が迷惑をかけた宮迫(博之)さん、(田村)亮さん、「レイザーラモン」HG、「ガリットチュウ」福島(善成)君らの顔です。

 自分が何をしても“ごめんなさい”の代わりにはなりません。罪滅ぼしなんてことも、できるものではありません。だからこそ、自分がやるべきことは一つ。なんとか今の仕事で成功する。

 それをしたところで迷惑をかけた人たちに何かができるわけではないですけど、でも、でも、それしか道はない。そのために全力を尽くす。これからもその積み重ねをやっていこうと思っています。

(中西正男)

■入江慎也(いりえ・しんや)

1977年4月8日生まれ。東京都出身。97年、高校の同級生だった矢部太郎とお笑いコンビ「カラテカ」を結成。 「アーイエ・オーイエ・オレイリエ! フロムLA!」とラップ調でポップに自己紹介するネタや“友達5000人”というキャッチフレーズなどで注目される。人脈を生かしコンサルタント業務を行う「株式会社イリエコネクション」を15年に設立。19年、“闇営業”問題で吉本興業を契約解除となる。20年に清掃会社「ピカピカ」を立ち上げる。2月1日に著書『信用』(新潮社)を出版。

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