センターの仕事は100%実務だったので、センター長から研究者としてやりたいなら次のポジションを探したほうがいいと勧められ、最初に公募が出た豊橋技術科学大に応募して採用され、2022年1月には准教授、4月には学長補佐になりました。

――息子さんはいくつになったんですか?

 いま小1です。すごく頼もしい。私の母親が3年前に退職したので、私の出張のときは豊橋まで来てくれて、とても助けてもらっています。

――ご自身はますます忙しくなりそうですね。

 仕事のほうは、やりたいことがたくさんあって膨らむ一方です。

 都市は人類最高の発明だ、と言う人もいますが、これほど都市が巨大化したのはここ100年やそこらの話です。コロナのパンデミックでも明らかになったように、人びとが暮らす場として都市は途上にあります。人口の増加や減少にどう対応するか、自然といかに共生するか、誰もが身体的にも精神的にも健康に暮らすにはどうしたらよいかなど課題はたくさんあります。

 ジャース(JAAS=日本科学振興協会)などの活動を通じて多様な分野の研究者と出会い、都市をフィールドに異なる分野の研究者とコラボレーションすることに面白さと新たな研究の可能性を感じているところです。

 他の人にできないことをやりたい。私はためらわずにどんどん動いちゃうので、自分がこれからどうなるのか眺めていよう、という感じです。

日本科学振興協会キックオフミーティング開会式で壇上に並んだ代表、副代表理事たち(JAAS提供)
日本科学振興協会キックオフミーティング開会式で壇上に並んだ代表、副代表理事たち(JAAS提供)

 小野悠/1983年、岡山市生まれ。東京大学卒、工学博士(東京大学)。愛媛大学防災情報研究センター特定准教授、松山アーバンデザインセンター副センター長などを経て2017年に豊橋技術科学大学大学院工学研究科講師、22年1月から准教授。同年4月からは学長補佐も務める。インフォーマル市街地の研究で日本都市計画学会論文奨励賞や日本建築学会奨励賞などを受賞。日本学術会議連携会員(第25期若手アカデミー幹事)。日本科学振興協会(JAAS)第1期代表理事。

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