野手でもう1人面白い存在になりそうなのが三ツ俣大樹(中日→ヤクルト)だ。プロ12年、実働10年で230試合出場、69安打にとどまっているが、過去2年はともに58試合に出場するなど存在感を示している。特に二遊間を中心に内野であればどこでもこなすことができ、高い守備力は大きな持ち味だ。ヤクルトは昨年、長岡秀樹が大ブレイクしたがまだまだ若く、セカンドの山田哲人、サードの村上宗隆もWBCに出場することで負担が大きいことを考えると、貴重なバックアップ要員として期待できるだろう。
近年では今野龍太(楽天→ヤクルト)、加治屋蓮(ソフトバンク→阪神)、茶谷健太(ソフトバンク→ロッテ)などが自由契約から他球団での契約を勝ち取り、今ではチームに欠かせない存在となっている。今年も彼らのようにどん底から這い上がってくる選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。