まだ潜在能力を発揮しきれていない投手という意味では小野泰己(阪神オリックス育成)も面白い。2016年のドラフト2位で阪神に入団し、2年目の2018年には先発として7勝をマーク。しかしその後は制球難に苦しんで年々登板機会が減少し、昨年はわずか5試合の登板に終わっている。二軍での成績を見てみると28回2/3を投げて32四死球とコントロールに大きな課題を抱えていることは確かだが、春先に一軍で登板した際にはコンスタントに150キロ台中盤をマークしており、そのスピードは大きな魅力だ。育成契約でのスタートにはなるものの、投手育成に定評のあるオリックスで何かきっかけをつかめば一気にブレイクすることも期待できそうだ。

 実績のある投手で期待がかかるのが三上朋也(DeNA→巨人育成)だ。DeNAでの9年間で通算346試合に登板して23セーブ、114ホールドをマークするなどリリーフとして活躍。ここ数年は故障もあって成績を落としているが、豊富な経験は大きな武器で、昨年も二軍では好投している。本拠地が近く、同じセ・リーグ球団への移籍という点も三上にとってはプラス要因ではないだろうか。チームも昨年はリリーフ陣の不振に苦しんだだけに、百戦錬磨の三上の加入はプラスとなりそうだ。

 一方の野手は投手に比べると他球団での現役続行を勝ち取った選手は少ないが、そんな中で最も注目度が高いのはやはりソフトバンクを自由契約となり巨人に入団した松田宣浩になるだろう。長年常勝軍団のチームリーダーとして活躍していたが、プロ17年目の昨年は若返りを図るチームの方針もあって出場機会が減少。プロ入り後初のホームラン0に終わり、オフには現役続行を希望してチームを退団することになった。巨人のベテランの右打者は中島宏之と5年ぶりの古巣復帰となる長野久義もいるため出場機会を得るのは簡単ではないが、常に優勝争いの中でプレーしてきた経験は貴重であり、体力的な衰えはそこまで感じないだけに復活にかかる期待も大きい。

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