日本に対する「リスペクト」。おそらくはそれも大事な要素だろう。そこには単に「敬意を表する」というだけでなく、日本の野球に順応しよう、日本の野球に学ぼうという姿勢も含まれる。

「彼はメジャーも経験してますけど、一番良いのは日本の野球を取り入れようとしているところじゃないですか。外国人って、日本の野球に順応しようとするのか、しないのかで全然違いますから。彼の場合はすごく日本の野球を勉強しようとしてるし、日本の野球に合わせたスタイルにしようとしているんで、そこが一番じゃないですかね」

 来日1年目のマクガフを、ヤクルトの石井弘寿投手コーチがそう評していたのを思い出す。そういう意味ではマクガフも、日本で成功するべくして成功した選手だったのかもしれない。

 しっかりとしたスカウティングのもと、日本の野球にフィットするであろう選手を獲得して異国の地でも力を発揮できるように環境を整え、選手自身も日本の野球に順応しようと努力する──。それでも必ず成功するとは限らないのが難しいところではあるが、現代の日本プロ野球で外国人選手が活躍するにはどれも欠かせない要素と言っていい。

 マクガフに代わる守護神候補に挙げられるケラに、先発ローテーション入りが期待されるピーターズとエスピナル。まだキャンプも序盤であり未知数の部分は多いが、彼らが日本の野球にフィットして持てる力を存分に発揮できれば、ヤクルトは球団初の3連覇にグッと近づくことになるはずだ。(文・菊田康彦)

●プロフィール
菊田康彦
1966年生まれ。静岡県出身。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身。2004~08年『スカパーMLBライブ』、16~17年『スポナビライブMLB』出演。プロ野球は10年からヤクルトの取材を続けている。

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