現在のヤクルトはそこに「トニー」こと前出のバーネットと、「AG」こと元外野手のアーロン・ガイエルという、2人の球団OBが編成部アドバイザーとして在籍。現地でスカウト業務を行うなど奥村氏を補佐しているという。

「マイクとトニーとAG。この3人は単に実力のある選手というだけでなく、日本(の野球)にフィットする選手を選んでるんだろうね」

 そう話すマクガフ自身もそうだが、前述のサイスニード、サンタナ、オスナもまさに「日本の野球にフィットした選手」という印象がある。

「今はどの球団もしっかり調査をしているし、どこもいい(外国人)選手を連れてきてるはずなんですよ。それでも(日本で)活躍できる選手とできない選手がいる。それは、1つは日本の野球に合うか合わないかだと思うんですね」

 以前、ある球団のフロントからそんな話を聞いたことがある。ヤクルトもまた、日本の野球にフィットするかどうかという点を選手の性格面も含めて見極めていると言えそうだが、マクガフはそれに加えてヤクルトという球団の「環境面」にも言及する。

「(奥村氏らが)日本にフィットしそうな選手を見つけてきたら、チームも温かく迎えてくれる。それも首脳陣が率先してね。何かを変えるように言われることもないし、リラックスさせてもらえるから、日本に来たばかりでも違和感なくシーズンに入れるんだ」

 それは監督やコーチに限った話ではない。2019年に来日したマクガフがすんなりチームに溶け込めたのは、2人の大ベテランの存在も大きかったと振り返る。

「選手でいえばマサ(石川雅規)とノリ(青木宣親)。英語ができるセンパイ(先輩)が投打にいたから、彼らを通じて投手とも野手とも話をすることができた。それもありがたかったね」

 マクガフ自身も、後からヤクルトに入団する外国人には人種を問わず分け隔てなく接し、異国の地でストレスなく過ごせるように気を配るなど、外国人選手のまとめ役になっていたとも聞く。サイスニード、サンタナ、オスナといった選手の活躍の陰には、マクガフの存在もあったのだろう。

「ハハハ、そう思ってもらえたら嬉しいね。確かに彼らのためになればと思ってたけど、みんなグッドガイだし日本に対するリスペクトも持ち合わせていたからね。(活躍の理由は)そこじゃないかな」

暮らしとモノ班 for promotion
みんな大好きポテトサラダ!おいしくつくるコツから保存方法までポテサラ豆知識
次のページ
マクガフにもあった“成功の雰囲気”