好きなときに好きなところに旅行できる日常が戻ってきた。そして、季節はまもなく春。『京都おいしい店カタログ [2023-24年版]』から、京都のスペシャリストたちが選んだ「あんこ」と「本わらび餅」の名店10店をリストアップ。長く愛される老舗も、個性が光る新顔も、いまこそコンプリートしたい。
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まずは、新旧が入り乱れる「あんこ」の6店から。
◆かさぎ屋の「おはぎ」
1914(大正3)年創業のかさぎ屋は、あの竹久夢二も通ったとされる甘味処。提供するのは、注文ごとに仕上げる昔ながらの「おはぎ」だ。三色萩乃餅(700円)は、最高級の小豆・丹波大納言を使ったつぶあんとこしあん、きな粉の3種。二寧坂の石段の途中にあり、清水寺とセットで訪れたい。
◆中村軒の「麦代(むぎて)餅」
中村軒は、かさぎ屋より30年ほど早い1883(明治16)年の創業。名物の「麦代(むぎて)餅」(290円)は、つきたての餅で、昔ながらの「おくどさん(かまど)」で炊いたたっぷりの粒あんを包み、きなこをふったシンプルなお菓子だ。使用するのは最高級の小豆のみ。上質な素材の味を堪能できる。
◆今西軒の「おはぎ」
こちらは1897(明治30)年創業のおはぎ専門の老舗和菓子店。つぶ餡、こし餡、きな粉と3種類の「おはぎ」(各200円)は、甘さ控えめで上品な味わい。持ち帰りのみで、午前中に売り切れてしまうことも多いというから、京都行きを決めたら、早めに予約しておきたい。
◆マルニカフェの「たい焼」
築50年、4階建てのビルをリノベーションし、アトリエやカフェ、ショップやオフィスなど、いろんな「つくる」が集まる「つくるビル」内にある。北海道産の小豆を使用したあんこがしっぽの先までみっちり詰まったたい焼(450円)に、生クリームやバターを添えるのが独創的。大きなハネもうれしい。
◆ノットカフェの「あんバターサンド」
北野天満宮にほど近い、「『ヒト・モノ・コト』を結んでいくお店」を目指すというカフェ。実際、あんバターサンド(363 円)には、京都の人気ベーカリー「ル・プチメック」のほの甘い特製バンズを使用。このバンズに、小豆の風味豊かなあんことバターを絶妙なバランスで挟んだ。