5月15日、京都では「京都三大祭」の一つ「葵祭」が行われました。京都市内では、気温が30度を超え、例年以上に暑さ対策が必要な葵祭に。「葵祭」で見られる平安時代の暑さ対策に注目します。

葵祭のようす(写真は過去の葵祭)
葵祭のようす(写真は過去の葵祭)
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「真夏日」の暑い葵祭に

きょう5月15日、京都では「京都三大祭」の一つ「葵祭」が行われました。「葵祭」は、祭りのヒロイン斎王代をはじめ、平安時代の装束に身を包んだ人々が「葵の葉」を飾り、京都御所から下鴨神社そして上賀茂神社へと巡行する熱い!京の伝統行事です。
実は、葵祭は雨にあたることも多く、途中の下鴨神社までの巡行で中止になったり、翌日に順延されることも過去に何度かありましたが、今年は天気に恵まれて予定通りの開催となりました。
きょうの近畿地方は各地でぐんぐん気温があがり、京都市内では、15時8分に30.5度を記録し真夏日となりました。記録の残っている1881年(明治14年)以降、行列の行われる5月15日に気温が30度を超えたのは1950年(最高気温30.7度)以来2度目のことです。この時季としては気温が高く、例年以上に暑さ対策が必要な葵祭となりました。

5月15日15時における近畿地方の気温のようす
5月15日15時における近畿地方の気温のようす

葵祭にみる平安時代の暑さ対策

ところで、葵祭の行列では赤い傘をさしている人が見られますが、これは家来が身分の高い人に差し掛けている日傘です。現代では「傘」と言えば雨傘のイメージが強いですが、平安時代には、傘は雨よけとしては使われていませんでした。ここ数年「日傘ブーム」が続いていますが、実は昔から、傘は暑さ対策として重要な役割を担っていたのですね。

葵祭で使用される傘
葵祭で使用される傘

そろそろ熱中症対策を始めよう

昔の人が日差しをよけて暑さを凌いだように、「直射日光」を避けることは、大事な熱中症対策の一つです。日傘以外にも、帽子をかぶったり、日かげを選んで歩くこともとても効果的です。
それ以外にも、下記のような予防・対策を心掛けましょう。
・こまめに水分補給をする
・ほどよく塩分を摂取する
・こまめに休憩をとる
・バランスにのよい食事を摂る
・しっかりと睡眠をとる
・通気性の良い服を選ぶ
・室内の場合、適切な湿度と気温を保つ
「まだ5月だから、対策なんて…」と思われている方、熱中症シーズンはすでに始まっています。特に5月は、まだ暑さに体が慣れていないため、気温が急激に上昇した日の熱中症リスクは非常に高くなります。また、普段から暑さに負けない体づくりをしておくことも大切ですから、今の段階から予防・対策を心掛けるようにしたいですね。また、熱中症情報をチェックして、今日の危険性を確認することもおすすめです。

熱中症予防・対策方法
熱中症予防・対策方法

近畿地方は、この後は「日傘」よりも「雨傘」の出番

さて、この後の近畿地方は気圧の谷や湿った空気の影響で雲が広がりやすくなっています。今夜の天気マークは「くもり」になっていますが、所により傘マークが隠れています。大気の状態が不安定となるため、雨や雷を伴うところがありそうです。この雨は、あすの朝まで降り続く見込みです。今夜帰りが遅くなる方は、雨傘があると安心でしょう。

今夜(5月15日)、あす(5月16日)の近畿地方の天気
今夜(5月15日)、あす(5月16日)の近畿地方の天気