なぜなら、この番組は抜群の高視聴率というわけではないが、ネットとの親和性も高く、若い世代に支持されていて、今のフジテレビの看板を背負う資格はあるからだ。また、挑戦者が体を張ってさまざまな種目に挑むゲーム的な要素があり、生放送の大型特番にはぴったりのフォーマットである。

 さらに、普段から『鬼レンチャン』にレギュラー出演している千鳥、かまいたちの2組に、新たにダイアンを加えたのも評価できる。ダイアンのユースケはもともと番組内で声の出演をしていたが、津田篤宏は新戦力として加わることになる。この座組のキーマンは間違いなく津田である。

 千鳥・かまいたちの4人の中では、濱家隆一がイジられ役に回ることが多いが、本来の濱家のポジションはそこだけではない。イジられ役として抜群のポテンシャルを誇る津田が加わることで、さまざまな可能性が広がるようになった。

 個人的には、『27時間テレビ』ではロケ要員としての津田の活躍に期待したい。千鳥やかまいたちにイジり倒され、追い込まれることで味が出る。局部露出とまではいかなくとも、それなりのパフォーマンスを見せてくれるはずだ。

 TBSの大型特番『お笑いの日2022』でも、津田はランジャタイとのコラボネタ「ゴイゴイスーミュージカル」で話題になっていた。彼には祭りの主役を張れる器があるのだ。

 千鳥、かまいたち、ダイアンの3組が作る世界観というのは、タモリやSMAPが積み上げてきたこれまでのフジテレビの王道バラエティ路線とも毛色が違うものだ。そこからどういうものが生まれるのかというのも興味が尽きない。

 今夏の『FNS27時間テレビ』が、お祭りムード全開のまっとうなお笑い特番であれば、往年のファンとしてはそれだけで満足である。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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