注意したいのは、自分を引きあいに出すような表現を使わないこと。相手をほめるつもりであっても、ねたみやひがみと受け取られかねない。特に入学、就職、昇進、栄転、新築などの祝いごとでは気をつけたい。
相手によっては「ご出産おめでとう」「ご入学おめでとう」だけでは、お祝いの言葉として不十分な場合がある。「待ちに待ったベビーの誕生、感激もひとしおでしょう」「難関突破、夢に向かって大きな前進ですね」などと、相手の喜びのツボを押さえた言葉を添える工夫をしたい。
お祝いの品に同送する手紙の場合は、品物への言及は控えめに。文末でさりげなく伝えるのがスマートだ。品物について長々と説明したり、こだわりなどを押しつけたりしないようにしたい。
最後に、シチュエーション別の「忌み言葉」をまとめておく。不吉なことを連想させる「忌み言葉」。お祝いの手紙には使わないように注意して。
【結婚祝い】
別れる、切れる、去る、帰る、終わる、流れる、冷える、短い、戻る、繰り返す、重ね重ね、再び、皆々様、近々、またまた
【懐妊・出産祝い】
流れる、落ちる、失う、蹴る、死ぬ、弱い、苦しむ、破れる
【入学・就職・昇進・栄転祝い】
落ちる、流れる、やめる、崩れる、壊れる、消える、変更
【新築祝い】
焼ける、燃える、倒れる、壊れる、流れる、火、煙、傾く
【開店・開業祝い】
倒れる、傾く、閉じる、つぶれる、さびれる、負ける、失う
【長寿祝い】
枯れる、朽ちる、死、病気、ぼける、寝る、根づく、倒れる
(監修 中川 越/構成 生活・文化編集部 端 香里)