鈴鹿8耐後、川口市役所に報告に訪れた時の森且行さん/2005年8月10日
鈴鹿8耐後、川口市役所に報告に訪れた時の森且行さん/2005年8月10日
2020年12月に埼玉県で開かれた、森且行さんの軌跡を追った写真展で展示された等身大パネル
2020年12月に埼玉県で開かれた、森且行さんの軌跡を追った写真展で展示された等身大パネル

 なので、あの日から、僕はほとんど仕事をしていなかった森さんですが、なんだか、勝手に距離が近い感じがしていまして。僕の中ではずっとSMAPです。

 で、情熱大陸。あの事故で死ななかったのが奇跡。歩けるようになった奇跡。体にボルトが24本も入っていて。なのに、そこで引退することは考えずに、復帰することだけに向かっている。

 日本一になるという約束は守ったわけだから辞めたっていいじゃないかと思っていました。

 だけど、あのまま辞めたくないんですね。事故で終わりたくないんですね。

 もう一度バイクに乗り一位を取って終わる。

 ちゃんと終わらす。

 SMAPを先に抜けた森さん。今はもうSMAPというグループは解散してしまいましたが、彼もまたSMAPとして、それを背負って走り続けているんだなという思いが伝わり、涙がこぼれました。森さんを見てると本当に思います。諦めないことの大切さ。やりきることへの信念。

「それは無理だろう」というみんなの気持ちを覆して、有言実行した彼の二度目の、ソレは必ず叶う。森さんの姿を見て思う。がんばりましょう。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店で販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が発売中。作・演出を手がける、今田耕司×鈴木おさむの第8弾舞台『正偽の芸能プロダクション』が3/15(水)~19(日)よみうり大手町ホールにて上演。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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