プロダクション・アイジーは、押井守の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」のアメリカでのヒットで海外でも認知度が高い87年設立の中堅。Q・タランティーノの「キル・ビルVol.1」のアニメパートを手掛けたことでも知られる。

 ボンズは「機動戦士ガンダム」で知られるサンライズで「カウボーイビバップ」などを手掛けていたスタッフが98年に独立して設立。同作品は世界的人気コンテンツだ。両社ともすでに成功したコンテンツを持ち、海外でのブランド力も高く、ハイブローな日本のアニメーションを制作する中堅だ。

■「驚嘆」すべき配信網

 一方、サブリメイションは11年設立の新進気鋭のCGプロダクション。手描きになじむ3DCGを得意とし、「ラブライブ!」シリーズや「天気の子」などのCGパートを手掛けている。小石川淳代表(45)は、技術的に高い評価を受けながらも、これまでは他社作品の3DCG部分だけを請け負うというオファーがほとんどだったと言う。

「フルCG作品を元請けとしてやりたいと思っていましたが、なかなかたどり着けませんでした。製作委員会が組まれストーリーも決まっており、この部分だけやってくださいというオファーばかり。ですが、ネットフリックスはストーリー作りもキャラクターデザインも、ゼロから作りきってほしいとのオファーでした」

 ネットフリックスとの契約のあと、小石川さんの元には「どうやって契約までもっていったのか」との同業者からの問い合わせが殺到したという。

「ネットフリックスの配信網は驚嘆に値します。何十年も前から日本アニメは全世界を見据えて制作していますが、言語や文化の壁に跳ね返されていた。手をこまねいているうちにファンが字幕を付けて独自に楽しむようになり、次第に日本アニメは世界に認知される状況になったが、制作側にリターンはなかった。ここをビジネスとして整理してくれたのが配信事業者だと思っています」

 アニマの笹原晋也代表(46)もネットフリックスの柔軟な対応を評価する。

「通例だから動かせないということではなく、トライしてみると言ってくれる。相談しやすさは大きい」

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