蜷川実花監督が手がけるネットフリックスのオリジナルドラマ「FOLLOWERS」。地上波とは異なるネット配信ならでは醍醐味、撮影で心がけたことは何だったのか。AERA2020年3月16日号は、「メガヒットの条件」を特集。蜷川監督にインタビューした。
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「FOLLOWERS(フォロワーズ)」を作るにあたって、ネットフリックスさんからは、最初に「あまりアメリカ的にしなくていい」「欧米を意識しすぎなくていいですよ」と言ってもらったので、日本のカルチャーを出そう、自分の周りのことを深掘りしていこうと思いました。
このドラマは190カ国に配信されますが、そう言われると対象が広すぎて、どこに焦点を当てていいかわからなくなります。なので、逆に己のことを信じるしかないというか、振り切れたのでやりやすかったです。
良かったことといえば、圧倒的に表現の自由度が高かったことです。地上波のドラマでできないことも配信ドラマならできると思っていたことがたくさんあったのですが、特に「あれをしてはいけない、これをしてはいけない」と言われることはありませんでした。撮影でもとにかく自由度が高かったです。
また、クリエイターをすごくリスペクトしてくれるということは、どの瞬間をとっても感じられました。だからこそ、すごくやりやすかったですし、またやりたいとすごく思います。
「FOLLOWERS(フォロワーズ)」のような物語をやりたいねと言い出したのは「ヘルタースケルター」(2012年)が終わったすぐあとくらい。それから数年経って、ネットフリックスさんと正式に動き始めたのが約3年前ですが、注目度は今の方が圧倒的に高い。特に(映像の)作り手の方々は気になっているようです。そういう方々に会うたびに「どうだった?」とか「予算はどれくらいだった?」「ギャラはどうだった? 何か大変なことあった?」とか、最近、特にたくさん聞かれるので、注目されているんだな、と。
私はいい時期にネットフリックスさんとご一緒できました。きっと今だとものすごい激戦なのでは? 早めにお声掛けをさせていただけて、本当に良かったと思っています(笑)。
(構成/ライター・坂口さゆり)
※AERA 2020年3月16日号