桂かい枝さん(左)が「誰か高座に上がってみたい人」と呼び掛けると、ほぼ全員が手を挙げたという(写真:桂さん提供)
桂かい枝さん(左)が「誰か高座に上がってみたい人」と呼び掛けると、ほぼ全員が手を挙げたという(写真:桂さん提供)
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 在留・訪日外国人数の増加によって注目を集める「やさしい日本語」。1995年の阪神・淡路大震災で多言語対応に限界を感じて生まれたとされ、現在では様々な場面で用いられているという。AERA 2020年2月3日号では、「やさしい日本語落語」の取り組みを紹介する。

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 昨年9月、大阪府の国際交流基金関西国際センターの会場に、モンゴル、パナマ、マダガスカルなど、さまざまな出身国の外国人50人以上が集まり、ステージが始まるのを待っていた。登場したのは、落語家の桂かい枝(し)さん(50)。日本の伝統に興味を持つ外国人は多いが、話芸である落語を理解するには、かなりの日本語能力が必要にも思える。それでも観覧席の外国人は、大口を開けて笑っている。

 会場にいた外国人は、日本語を勉強中ではあるものの、特別堪能なわけではない。この落語はオチやストーリーはそのままで、ゆっくり、わかりやすい単語を用いて行われていたため、理解できたのだ。

「図書館」という落語では、「本がたくさんあります」「とても静かなところですね」と、まず図書館という単語について、丁寧に説明する。登場人物は図書館のカウンターで大声を出し、「ハンバーガーとコカ・コーラください」と注文。「ここは図書館です」と指摘されると、大声を出したことを咎められたのかと、今度はささやき声で注文する、というオチだ。

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