「虹色のファンファーレ」には新曲に加えて、在りし日の江戸のヴォーカルを堪能できる「LOVE RAP」「プッシー・ドクター」「へいせいナンのこっちゃい音頭」といった未発表曲を収録。いずれも88年~89年のライヴ・ヴァージョンで、約30年前のパフォーマンスとは思えない、全く古さを感じさせない演奏に衝撃と感動を覚えずにはいられない。まるでつい昨日、どこかのイベントで行われたライヴの音源を聴いているような生々しいフレーズやリズムの嵐のなんと現代的なことか!

 野外フェスやイベントが頻繁に開催される現在、多くのオーディエンスを怒涛のグルーヴで巻き込むJAGATARAがもし健在だったら……。そんなありえない夢を、例えばフジロックの現場などで筆者は何回も思い描いてきた。こうしてJAGATARA2020として復活したとあっては、もしかすると今年あたりどこかの野外フェスで実現するかもしれない。解散していたものの、歴史の水面下で彼らのマグマのような音楽はずっと続いていたことを、フェス好きの若い世代にも伝えてほしいと願っている。(文/岡村詩野)

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