文茨城県や栃木県などの関東北部で地震が頻発している。首都直下地震の予兆ではという声もあるが、その関連性については専門家の間でも意見が分かれているようだ。大地震を正確に予知することが難しい今、重要なのは地震を「来るもの」と思って備えをしておくこと。AERA 2019年12月23日号の記事を紹介する。
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茨城県日立市の主婦は、今回続いた地震を受けて、家具の転倒防止器具をネットで注文した。一度そろえたきり放置していた防災備蓄も見直したという。
「引っ越してきた直後に缶詰や長期保存水を買い集めたまま忘れていた。今回、改めて見直す機会になりました」
同じように考えた人も多く、一部のホームセンターでは耐震用品の売り切れが相次いだ。東海大学海洋研究所所長で同大教授の長尾年恭さんはこう指摘する。
「このように被害が出ない程度の地震が起こることで、社会的に防災意識が高まる面もある。防災対策を見直すきっかけにすべきです」
今の科学技術では大地震を正確に予知することはできないし、仮にできたとしても地震そのものをなくせるわけではない。ならば、来るもの、と思って備えることが大切だ。