せっかくなので保護者の方にも聞いてみると、以下のような返答が返ってきました。
・どんぐりの形のバリエーションが多いことにとても驚いた
・チューリップの形に似ている殻斗(パンツ)の存在を初めて知った
・山のどんぐりはころころ転がるので、どの木についていたかを調べるのが難しい
・どんぐりの木は毎年実をつけると思っていたが、そうではないもの(2年成)がある
どんぐりは身近な存在でありながら、実は知らないことがたくさんあることを親御さんも実感されたのではないでしょうか。
「これから『どんぐり』でどんな遊びをしてみたい?」
最後にそう子どもたちに尋ねると、クラス唯一の男の子が「シリブカガシをもっと拾いに行きたい!」と真っ先に答えてくれました。
彼は表面を少し磨くとたちまち漆器のような光沢を放つこの美しいどんぐりにすっかり魅了されたみたいです。
私が今回のプロジェクトで特に印象に残ったのは、探究堂の授業で実施したアクティビティーが家での遊びに波及していた点です。
授業後や休日に、それぞれお気に入りのどんぐりを京都御苑に探しに出かけたという話を複数のご家族から伺いました。
スダジイを食べたり、シリブカガシを磨いたり、それらのエピソードから家族全員でどんぐりプロジェクトに熱心に取り組んでいる様子が伝わってきました。
どんぐりは子どもだけでなく、大人も夢中にさせる不思議な木の実ですね。
※AERAオンライン限定記事
○山田洋文(やまだ・ひろふみ)/1975年生まれ、京都府出身。教育家。神戸大学経済学部卒。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、オルタナティブスクール教員に。2016年4月、京都市内でプロジェクト学習に特化した探究塾の探究堂(http://tanqdo.jp/)を開校。探究堂代表、認定NPO法人東京コミュニティスクール理事