具体的な発表はないが、近い将来、コーチを再びつけて歩む可能性がある。次のコーチは2022年の北京五輪へともに向かう相手になるはず。何を求めるのか、と問われた宇野は、
「自分と『合う』っていう表現が合っているのかわからないんですけど、求めているものが全く一緒じゃなくて近い。で、やはり僕がこの人がいいと思える人。僕は僕のためにスケートをやっていると思うんですけど、少しでもその人とともに戦いたいと思えるような人かなと思います」
宇野にとって試練となったフランス杯。優勝したのは、GPシリーズ第1戦のスケートアメリカも制した、世界選手権2連覇中のネイサン・チェン(20)だった。2位に32.06点差をつけての圧勝。スケートアメリカと同じく、独り舞台で勝ちきった。もちろん、GPファイナル進出を決めたチェンは、
「順位、結果については満足している。スケートアメリカもフランス杯もミスはあったけど、結果はとてもうれしい」
と満足した様子だ。
宇野の総合8位という不調について質問を受けたチェンは言った。
「どの選手もスランプに陥ることはある。けがであれ、精神的なものが原因であれ、トップ選手も苦労する時期はある。だけど、彼は必ず答えを見つけて戻ってくると思います」
(朝日新聞スポーツ部・大西史恭)
※AERA 2019年11月18日号より抜粋