これまでGPシリーズで表彰台を逃したことがなかった宇野昌磨選手が、第3戦のフランス杯で8位と崩れた。今季は新たな環境を模索しながら練習に励んできた宇野選手は、結果とは違って前向きだという。AERA 2019年11月18日号に掲載された記事を紹介する。
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フリーから一夜明け、報道陣に対応した時も、笑顔が見られた。
「思い切りやったうえで、あそこまで失敗したのは、もう何か『悲しい』っていうよりも、『やりきった』という。逆にやりきった気持ちが僕も何でかわからないんですけど、すごくさわやかな気持ちがあって。本当にみなさんが心配してくれて、身近な人や知り合いから声をかけていただいてすごくうれしいんですけど、多分、みなさんが思っているより僕は今、前を向いていると思うので」
また、コーチに関して、新しい気持ちも芽生え始めていることを明かした。シーズン当初は一人でもやっていけると思っていた。しかし、今は違う。
「できる、できないではなく、楽しくないって思ったので。もちろん、みんな真剣にやっていると思うんですけど、僕はもうちょっと楽しくやりたいんですよね。スケートを。どれだけ調子が悪くてもコーチがいることで笑顔になることもあったりとか、一人では絶対にできないことがあるのも痛感しましたし、試合に出ても痛感したので」