■寺島しのぶのような女優に!?
幼少期からクラシックバレエを習い、プロを目指して真剣に取り組んでいたという門脇。しかし、中学2年生のときに「自分の肉体的にも足が硬かったので、結構体にもガタがきてたりとか……。プロは無理だなっていう限界を感じて」夢を断念したと明かしている(「おしゃれクリップ」3月5日放送・日本テレビ系)。しかし、そこで終わらないのが彼女のすごいところ。「挫折してしまった自分が悔しいし、早く仕事をして、あの人も頑張っているんだなと思われたい。見返したい」という思いから、芸能界入りを決意したという。
「インタビューで『何かを抱えた役柄が多いイメージがある』と言われた際に、『たぶん私自身が何も考えていないから』と答えていたのが印象的でした。過去のテレビ番組で『(女優を)いつでもやめてもいいと思っている』と話していたこともありましたが、そうした冷静な分析力や潔さが、一見現実離れしているとも思える役でも、説得力をもって演じられる要因なのかもしれません。6月公開予定の映画『渇水』では、育児放棄している母親役で出演します。30歳を迎えた彼女が、『リバーサルオーケストラ』を経て、どんな演技を見せてくれるか楽しみです」(前出のスタッフ)
芸能ジャーナリストの平田昇二氏は、門脇の魅力についてこう述べる。
「もともと演技力には定評があり、自然な演技と独特な存在感で主演でも脇でも光る、業界内でも非常に評価の高い女優です。『愛の渦』での“脱ぎの演技”が広く知られていますが、作品を表現するうえで必要であれば脱ぐこともいとわない、プロ意識の高さのあらわれでもあります。脱げる女優といえば、寺島しのぶさんや真木よう子さん、沢尻エリカさん、二階堂ふみさんなどがいます。卓越した表現力やミステリアスな雰囲気に裏打ちされた濡れ場の説得力という点において、妙な生々しさや淫靡(いんび)さを感じさせる寺島さんに近いタイプと言えるかもしれませんね」
“個性派”という評価を超えて、これからどんな女優へと成長していくのか、目が離せない。
(高梨歩)