俳優・荒牧慶彦(撮影/小黒冴夏)
俳優・荒牧慶彦(撮影/小黒冴夏)
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 はかなく美しい佇まいと繊細な演技力で、数々の漫画やアニメ、ゲームの人気キャラクターを3次元の世界に立ち上がらせてきた俳優・荒牧慶彦。2.5次元俳優のトップランナーは、いま何を思うのか。AERA 2019年10月7日号から。

【写真】荒牧慶彦が「AERA」の表紙に初登場!

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 新たに挑むのは、まさかの国民的アニメ「サザエさん」の磯野カツオ役だ。配役が発表になるとネットは大騒ぎになった。

 自分でも爆笑しちゃったので、みんな笑うだろうなと思いました。このお話をいただいて、まず聞いたのは「坊主ですか?」。そしたら、「いや、10年後の設定だから髪の毛は生えてるよ」と言われて、よかった~と思いました(笑)。「サザエさん」は家族と晩ご飯を食べながら観ていたアニメなので、もちろん知っています。でも、10年後の設定となると誰も見たことがない。いわゆる“教科書”が配られてない状態だなぁとも思いました。

 2.5次元舞台では原作のアニメやゲームなどが教科書なのだ。通常はその教科書や設定集などを徹底的に読み込んで、演じるキャラクターを「自分の中に落とし込む」作業をする。しかし、今回は勝手が違った。

 小学生から大学生に成長するって、結構変わりますよね。だから、カツオという面影は残しつつ、ゼロからイチに作り上げる作業も必要だなと。アニメ通り要領がよくてズルいところもあるけど、優しくておとこ気もあって、さらに大学生になって少し色気づいてきたカツオを演じられたら面白いだろうなと思って、取り組んだ感じです。もちろん、演出家さんと相談しつつ。

 それにしても、イケメンに成長しすぎではないか。しかし、内面は意外とカツオと似ている点があるようだ。

 小さい頃は草野球もやっていましたし、保育園のころからイタズラが好きで、先生によく立たされていたので、そういう意味ではカツオに近いかもしれません。今でもあんまり精神年齢は高い方じゃなくて、大学生のままみたいなところがあるんです。イタズラも好きですし……最近したイタズラ? 舞台「刀剣乱舞」に出演中のときは、へし切長谷部役のまーしー(和田雅成・28)の番傘を隠したりしていました。驚いたり困ったりしている顔を見るのが好きなんです(笑)。

「もしかしてかまってちゃんですか?」と尋ねると、「一人の時間も大好きな、自立したかまってちゃん」と自己分析する。

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