業界や職種にとらわれない考え方が重要になり、自分に秘めたスキルが生きる新しい職種も現れた。「畑違い」の異業種に勝ち抜くチャンスがある。
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業界や職種にとらわれない採用が広がるのには、理由がある。
カスタマーサクセス、コミュニティーマネジャー、グロースハッカーといったフレーズを知っているだろうか。実はこれら、すべて職種名だ。デジタル化にともない事業モデルが多様化。すると、これまでにない新たな職種が産声を上げた。
「よくわからないカタカナ職種」と決めつけるのはまだ早い。適したスキルをひもとけば、転職の可能性がぐんと近づくこともある。
たとえば、昨今、普及している定額課金サブスクリプションサービス。その要は、会員継続をしてもらうことに尽きる。ユーザーに喜んでもらうことを能動的に考え、定着率を上げていくことが重要であり、これらの業務を担うのが、カスタマーサクセスなのだ。
平たく言えば、「常連さん」を作るのに近い。人事・戦略コンサルタントで『「いつでも転職できる」を武器にする』の著者でもある松本利明さんは言う。
「これまでは買ってもらうことがゴールでしたが、サブスク型ビジネスでは買ってもらったところがスタートになる。継続してもらうために、相手のかゆいところに手が届くような提案ができる人が向いています。となれば接客や営業、マーケティングのスキルが生きてくる」
ユーザーの快適度向上を外的に目指すカスタマーサクセスに対し、自社ブランドのファンと積極的にコミュニケーションを構築する巻き込み型の職種が、コミュニティーマネジャーだ。カリスマ的存在になれる人ではなく、誰とでも親しくなれる「大阪のおばちゃん」的スキルが必要だと松本さんは言う。マネジメントやマーケティング、顧客サービス経験者などが強みになる。
ほかにも、仮説、実行、検証を繰り返しながら、事業の急速な成長をミッションに掲げるグロースハッカーや、ビッグデータを分析するデータサイエンティストといった職種も登場し、旧来型の職種観だけで語るのは、もはや難しい。