先日9月9日、台風15号が首都圏を直撃しました。多大な被害が今も続いています。お見舞い申し上げます。
暴風で木がなぎ倒され、鉄道が止まるような天候でも「保育園は開いていた」と聞いて、驚いてしまいました。NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹さんのnoteによると、こういう事情があるそうです。
『保育園はというと(中略)、臨時休園に関する国の法律や政令などが、存在しないのです。
だから、全て自治体任せ。
自治体はというと、ルールがないので、とりあえず「保育園は閉めるな」の一点張り。
かくして「保育園は何があろうと開く」という伝統が形成されたのでした。』
「ルールがないので、とりあえず開ける」という考え方が、非常に日本らしい……。これがアメリカだと、「ルールがないので、いつでも閉められる」になるんじゃないかと思います。
ただ、アメリカはなんでもルール化する国でもあります。多文化社会なので、日本のように「まぁこれが普通だよね」という共通認識がないに等しく、明確なルールがないと物事が進みません。訴訟し放題にもなります。
わたしの娘が通うプリスクール(日本でいう保育園。基本的に私立)では、悪天候の際の対応がきちんと明文化されています。市立の小中学校も、閉校・休校の判断基準、判断プロセスを厳格に文書化しています。この辺りがトルネード・ハリケーンの頻発地域であるという理由もありますが、基本的には「天候が深刻になる前に子どもを家へ帰す」ことを旨としています。まったく雨が降っていないのに「あと2時間で閉園。できるだけ早くお迎えに来てください」とのテキストメッセージが親のスマホに来たり、「明日は大雪が降りそうなので閉園」と言われたのに、翌日は雪などひとかけらも降らない晴天だったり、ということがちょくちょくあります。万が一のことを考え、すぐに閉めてしまうんです。ふりかえ授業なんてもちろんないし、園の授業料も当然のように返金なし。親としては、仕事中にいきなりお迎え要請の連絡が来るし、「大げさだなぁ、もっとがんばってくれよ」と愚痴のひとつも言いたくなります。