

1日1本の動画をあげ続け、4年半。いまではチャンネル登録数407万を超える、日本屈指のYouTuberだ。水溜りボンドは、日々何を考え、生み出しているのか。彼らの日常と頭の中をのぞいた。
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リビングのソファでくつろいでいたカンタが唐突に言った。
「動画に1千個テロップつけてみた、どうかな?」
「いいね。けっこう大変だよね」(トミー)
「ライオン飼いたい! 飲み会とかで『今日はライオンの世話しなきゃいけないから』とか言って帰りたい」(カンタ)
「出かけて撮影してると、『ライオンはいまどうしてるんですか』ってコメントがきて炎上するまでがセットだな」
「南極はいつ行くの?」
「時間がないなあ。いつにするかな。年末かな」
撮影までの待ち時間、雑談のような雰囲気で、現実離れした会話が飛び出す。これが水溜りボンドの日常だ。
この日、二人は無人島から帰ってきたばかり。無人島で3日間を過ごす入魂の企画は、「楽しかったけど大変」。軽く飢えていた状態だったから、撮影する動画のテーマは大食い。デリバリーピザの裏メニュー全5種を二人で完食するという。
ダイニングにカメラをセットし、撮影が始まった。
「水溜りボンド、トミーです!」「カンタです!」
二人はトークを繰り広げつつ、ひたすらピザを食べていく。撮影は休憩を挟んで完食まで続く。動画は10分足らずに編集され、夜8時にアップされる。
2015年1月1日に「水溜りボンド」としてYouTubeに動画投稿をはじめ、毎日投稿を続けて4年半になる。彼らの1日は、動画撮影を中心にまわる。
メインチャンネルの企画と撮影を主に担当しているのが、カンタだ。動画アップの夜8時から逆算し、午前中は企画に必要なものを買い出しに行ったり、企画を考えたりして過ごす。昼過ぎから撮影を始め、夕方5時ごろには撮影を切り上げ、編集作業へ向かう。編集には3、4時間かかるが、一度も苦にしたことはない。
「枠組みはシンプルだけど、毎日アップしないといけないので、スケジューリングはけっこう大変です」(カンタ)