飯豊:私もまったく同じです。私は横浜さんに絶大な信頼感があります。七草に対して真辺もそういうふうに思っている。でも横浜さん自身は、七草とは根本的に違う部分をたくさん持っていますよね。現場で「私たちは(役と)正反対だ」って話してましたけど。

横浜:そう正反対。

飯豊:この映画とリンクするように、私たちは、高校生の時は会うことも話をすることもありませんでした。空白の期間がボーンとあって再会したのは映画と全く一緒。それは役作りに反映できました。撮影が進むにつれ、だんだん阿吽の呼吸ではないですけど、話さなくても通じるような雰囲気もありましたね。

横浜:現場でのコミュニケーションはあまりなかったけど、ちゃんと芝居は撮れていたから何かを言うこともなかったね。 

飯豊:映画が難しかった分、横浜さんと一緒に出られたことは救いでした。撮影が中断して悩むこともなかったですし、ストレスフリーだった気がします。ただ横浜さんを知っていることの恥ずかしさはありました。目をずっと見てお芝居するのはそもそも緊張するのに、もとから知っている人というと、ちょっと照れくさくて……。仕事をしている部分を見られるのも、「差し入れ持ってきましたよ」と言うのも恥ずかしかったです。

(構成/フリーランス記者・坂口さゆり)

AERA 2019年9月9日号より抜粋

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