ベストセラー小説『いなくなれ、群青』が映画になった。この映画で初共演となった横浜流星と飯豊まりえが映画のことやお互いについて語り合った。
* * *
――河野裕のベストセラー小説『いなくなれ、群青』。謎だらけの島・階段島を舞台にした青春ファンタジーだ。この小説が映画化。主人公の七草をいま最も注目を集める横浜流星、七草の幼なじみ・真辺由宇を飯豊まりえが演じる。実はこの二人、初共演ながら子ども時代からの知り合いだったという。
飯豊:私たち、芸能界の幼なじみなんです。初めて知り合ったのは、私が小学6年生の時。
横浜:僕が中学1年生でした。雑誌のお仕事だったんですが、当時の飯豊さんはトップモデル。キラキラしてたから「うわっ!」と圧倒されてました。
飯豊:あの時が一番輝かしかったな。二人で観覧車に乗りましたよね? 覚えてます?
横浜:覚えているかも。
飯豊:3人の女の子で横浜さんを取り合って私が勝って、観覧車で手を繋ぐみたいな(笑)。すごく緊張した撮影だったけど、その時、横浜さんって妖精みたいな人だなって思ったんです。目はクリクリだしまつ毛は長いし。今まで見た男の子の中で一番不思議な人でした。それから友達になって、みんなで遊びに行くこともあり。横浜さんは私の中ではやんちゃなイメージ。すごく面白いのにそれを隠している気がします(笑)。
横浜:大丈夫。そのうち出てくるから。隠しきれないものがある(笑)。
――本作は横浜演じる七草のモノローグで始まる。彼はある日突然、階段島にやってきた。誰もが、なぜその島へやってきたのかは知らない。島を出る方法は「失くしたもの」を見つけること。だが、そんな日常に疑問さえ抱かなければ島の日々は安定している。ところが、七草の前に突然、飯豊演じる幼なじみの真辺由宇が現れて……。
横浜:最初に海辺で二人が再会するシーンを撮ったでしょ。「あ、真辺が立っている」って思った。飯豊さんがこれほど真剣に役と向き合う姿を見るのは初めてで、すごく刺激を受けました。真辺として毎日生きていた飯豊さんに僕自身、助けられた。スイッチが入った時に放つエネルギーがすごいから、飯豊さんの演技を受けて自分の芝居が変わったことがありましたね。