どこか入れ込みすぎていたところを反省し、「楽しむ部分も入れながら」準備を進めている。トレーニングには練習パートナーとともに山野を走るトレイルランを取り入れた。「トレーニング中は真剣でも、日常生活ではリラックスを心がけ、質の高い練習ができている」

 実は風貌も変わった。

 髪を短く刈り込み、ピアスをつけた。昨夏からやりたかったが、周囲の評判などを気にしてできなかった。「今の僕のありたい姿って何だろうと考えたら、やればいいじゃんと、吹っ切れました」。常に自分らしく、が大迫流だ。

 米国に拠点を置いて5年目になる。男子短距離のサニブラウン・ハキーム(フロリダ大)ら海外で活躍する選手も出てきた。「でも、サッカーや野球に比べると陸上はまだまだ。僕が結果を出して、しっかりした道を作りたい」

(朝日新聞記者・堀川貴弘)

AERA 2019年9月2日号