インターン初日、HANABIチームは「自分たちが目指す理想の社会」を書き出した。でも、ここからどうやってビジネスに結びつけていけばいいのか、五里霧中(撮影/編集部・石臥薫子)
インターン初日、HANABIチームは「自分たちが目指す理想の社会」を書き出した。でも、ここからどうやってビジネスに結びつけていけばいいのか、五里霧中(撮影/編集部・石臥薫子)
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2日目の中間プレゼンで、評価者からのツッコミに懸命に答えるパンプキンスープチーム。「受け答えは大学生に比べ全く遜色ない」と高評価(撮影/編集部・石臥薫子)
2日目の中間プレゼンで、評価者からのツッコミに懸命に答えるパンプキンスープチーム。「受け答えは大学生に比べ全く遜色ない」と高評価(撮影/編集部・石臥薫子)
4日目のWAC WACチーム。全員が腹落ちするアイデアが出た瞬間、「スゲー」とメンターの三上高広さんが握手を求めた(撮影/編集部・石臥薫子)
4日目のWAC WACチーム。全員が腹落ちするアイデアが出た瞬間、「スゲー」とメンターの三上高広さんが握手を求めた(撮影/編集部・石臥薫子)
最終日の懇親会では「ここまで本気になってくれる大人がいることに感動した」「社会人=社畜のイメージが覆された」といった感想も聞かれた(撮影/編集部・石臥薫子)
最終日の懇親会では「ここまで本気になってくれる大人がいることに感動した」「社会人=社畜のイメージが覆された」といった感想も聞かれた(撮影/編集部・石臥薫子)

 起業に興味がある。早くからビジネスの基本を知りたい。そんな高校生たちが本格的なインターンプログラムに挑んだ。

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 東京・麹町のオフィスビルに7月25日、あどけなさの残る14人が集結した。高校生向けのインターンシップ「THiNK FLAT CAMP U‐18」に参加するメンバーだ。

 このインターンを企画したのはネット通販の後払い決済サービスを手がけるネットプロテクションズ。2010年から毎年実施し、大学生の参加者から高い満足度を得てきたプログラムを、今回初めて高校生向けに提供するという。

 参加希望者にはエントリーシート提出を課し、選考する方式も大学生向けと同じだ。企画を立ち上げた同社の平間亮哉さん(33)は言う。

「高校生向けは他社でもほとんど例がないので、応募が来るのか予測がつかなかった」

 実際には、15人の定員を超える37人の応募が来た時点で締め切った。

 優秀な学生は大企業に入るより起業する。入社数年での転職も当たり前──。そんな時代に入り、高校生の間でも起業を意識したり、ビジネスの基本を知って早く成長したいと考える生徒が増えている。

 参加した山形県酒田南高校1年の鈴木瑠花さんもその一人。

「中学の修学旅行でベンチャー企業を訪問して起業に興味を持った」

 今回のプログラムが「意欲と能力のある中学生も歓迎」とあったので応募したという千葉県の公立中学3年生の男子もこう話す。

「新しいものを作るのが好きで将来に役立つ何かを発見したい」

 そんな彼らが挑むのは、「『つぎのアタリマエ』となる新規事業の立案」だ。チームで「理想の社会」を考え、それを実現するための事業プランを5日間で作りあげるのがミッション。初年度最大5億円の投資を得られる想定で、10年以内に黒字化させるよう事業収支の見込みも出す。プランは評価者が、社会へのインパクトや実現可能性などの観点から採点し、順位をつける。前出の平間さんは言う。

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