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 予測不可能な時代が訪れたと言われている。「いい学校に入っていい会社に入れば幸せになれる」という単純な未来が描けない今、子どもたちに「勉強する意味」を問われたら親は何と答えればいいのだろうか。「探究型学習」の第一人者であり、著書『自分で考える力を鍛える 正解のない教室』(朝日新聞出版)でリベラルアーツを学ぶことをすすめる矢萩邦彦さんに聞いた。

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 勉強をしていて、「なんでこんなことをしなければいけないんだろう?」って思ったことはありませんか?ぼくは中学生のころ、特に興味がない教科や、先生と相性が合わないときに、よくそんなことを考えていました。いったいぼくたちは何のために学ぶのでしょうか?

 あなたにやりたいことや夢があるなら、学ぶ理由は簡単です。よりよい人生を歩むためです。興味があることなら学ぶこと自体が楽しいですし、夢のためなら少々大変でも意味があります。自分のためではなく、世のため人のために実現したいことがある、と考えた人もいるかもしれませんが、心からそうしたいと思ったのなら、それはあなたのためでもあります。

 自らよりよい人生を切り開いていくためには、自分で選択する必要があります。どこの学校に通うのか、何を学ぶのか、どんな友達とつき合うのか、どんな先生に師事するのか、どんな人に恋をするのか、という人生を大きく左右する選択から、今日何を食べるのか、どんな文房具を使うか、どんな本を読むか、どんな映画を見るかなど小さな(けれど積み重なっていけば確実に人生に影響がある)選択まで、ぼくたちは日々さまざまな選択をしながら人生をつくっています。そのときに、よりよい選択ができるようにするために学ぶんです。

 では、やりたいことや夢がない場合や、やりたいことや夢とは直接関係がないように見える学校の勉強はどうでしょうか?

 多くの大人や学生は口をそろえて「将来のため」と言います。具体的には「お金に困らないために、それなりの地位につく」という目標です。そのためには、「よい学校に入って、よい会社に就職をする」必要があると言うんですね。ぼくはたくさんの学生や保護者、先生たちに同じ質問をしてきましたが、ほとんどがこの答えです。

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