![【メルカリ】荒瀬晃介さん(25)/東京大学大学院情報理工学系研究科で人工知能、特に画像認識技術について研究し、2019年に新卒入社。AIエンジニアリングチームに所属(撮影/写真部・小山幸佑)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/f/e/620mw/img_fe6eae196bff9ab493d6446e95ef294c39361.jpg)
![初年度で「高年収」をかかげる主な企業(AERA 2019年8月5日号より)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/b/b/614mw/img_bbfd492aed8ce8516d9e3485b7d9592d94644.jpg)
日本では長年、一律の初任給で新卒学生を採用し、終身雇用を前提として年功序列で年収が上がる雇用慣行が続いてきた。若年層には市場価値より低い給与しか支払われず、一定の年齢でそれが逆転して生産性以上の給与を受け取るようになる。
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一橋ビジネススクールの小野浩教授(国際企業戦略)は、この日本的な雇用慣行が競争力を奪ってきたと指摘する。
「グローバル化や技術革新が進むいま、旧来の雇用慣行では変化のスピードについていけません。今の賃金体系では、優秀な若手を引き付けられなくなるのは明らかです」
能力も、発揮できる成果も違う新卒学生に一律で給与を提示するのは市場原理に反するし、学生に対しても失礼だ、と。
「成果に応じた対価を払うのが本来の平等でしょう。長期雇用を前提とした一律初任給・年功序列のシステムが崩れれば雇用の流動性が高まり、採用も柔軟になります。企業の成長につながるはずです」(小野教授)
そんな柔軟な採用に力を入れる企業のひとつに、フリマアプリを運営するメルカリがある。新卒採用は通年募集で、学年にかかわらず応募が可能。だが、常に採用窓口をオープンにするのは、一括選考と比べてコストも手間も段違いだ。
「そこへの投資は惜しみません。学生によって状況は様々で、一括採用からはこぼれてしまう人が必ずいます。学生が興味を持ったその日に応募できるよう間口を広く取っています」