昨年発表されたセカンドアルバム「Ya Chaika」は、フリー・ジャズ、アンビエント・フォーク、現代音楽などの要素を柔軟に崩しながら取り入れた力作だが、決して敷居が高くないのが彼女の良さ。自由自在な音作りの発想は、もちろん正確な計算に基づいているのだろうが、一方でひらめきや本能に素直に従っているのでは?と思える瞬間もあったり、曲によってはまるで子守歌のようにさえ聴こえたり……と、全く異なる表情を見せてくれる。

 音だけではなく言葉、歌詞においても新たな表現を追い求めている角銅真実。音楽を楽しむにはこんな聴き方、楽しみ方もあったんだと気づかせてくれる彼女は、フジロック初日の木道亭で、一体どんなパフォーマンスを観せるのだろうか。(文/岡村詩野)

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