かつては高学歴・高収入・高身長の「3高」男性が求められた。だが、今の女性が求める理想像は様変わりしている。 20代女子曰く、「ステーキ肉より鶏胸肉を食べていそうな男性がいい」。 そのココロは──。
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カレ(29)が実家に遊びに来た日のことだった。その晩、カレはジムに行く予定だったためビールをひと口飲むと、あとは控えていた。
「そんなこと言わないでもう少し飲めばいいのに……」
と、母が勧めても、
「いや。この時間からは」
と、やんわり断っていた。そんなカレの姿を女性(29)は頼もしく思う。こういう相手なら結婚してからも安心だ。この女性は言う。
「最近、ジムに通う男性が増え、そんな彼らに惹かれる女性は多いのですが、女性たちが惹かれるのは、その鍛えられた筋肉に対してではないんです。健康に気を使いセルフコントロールできる姿に対してなんです」
最低限の礼儀は果たしつつ、きちんと線引きをする。こういうパートナーであれば、会社で上司に飲みに誘われてもホイホイ流されてついていくこともなく、自己判断して帰宅し、家事や子育てもきちんとしてくれそうだ。
このカレは女性との結婚が決まると、勤務していた安定性のある商社から外資系メーカーに転職した。
「なんてもったいない……」
と、バブル世代の母は未練がましく言っていたが、結婚後の家庭生活を考えてのことだった。昭和な体質の日本企業より、ワーク・ライフ・バランスの取れた外資系企業のほうが家庭生活にコミットできる。それに、昭和の体質に巻き込まれ、毎晩飲み歩きビール腹と痛風を抱えるおじさんになるのは本人も望んでいないし、女性もイヤだ。
「ヘルシーな働き方やライフスタイルを私たちの世代は求めています。食べ物に例えるなら、サーロインステーキより鶏胸肉を食べていそうな男性のほうが魅力的です」(女性)
高学歴、高収入、高身長──。かつてバブルの時代に、女性が求める男性像として、そんな「3高」がもてはやされた。母たちバブル世代は、3高男性たちと高級フレンチやイタメシデートをし、あわよくば「玉の輿」に乗ることを夢見た。
しかし今は高級ステーキ肉なんかで誘う男子より、自分の健康も考え、鶏胸肉を食べて鍛えているような男子のほうがモテる。令和に支持されるのはそういう男性たちなのだ。