離乳食中期になると、食べ物の形状が裏ごしからみじん切りに変わることでその食感を嫌がって食べなくなることがあります。そんな時は、7つのこころえにあるように「一歩下がってみる」ことをおススメします。つまり、離乳食初期の裏ごしに戻すということ。親としては「子どもにどんどん成長してほしい!」と思うところですが、一歩下がったほうがスムーズに進むことが多いです。食べ始めたら、赤ちゃんの様子を見ながらみじん切りにしていきましょう。
〇離乳食後期(9~11カ月頃)
・回数 1日3回 おやつなし(3回の食事で足りなければおやつスタート)
・授乳 ミルク 1日3~5回 母乳 赤ちゃんに合わせて
・離乳食 : 母乳・ミルク 5:5~6:4
・食べ物の形状 5倍がゆ~軟飯 他食材は5~7mm
・食べ物の固さ 歯茎でつぶせる (目安)熟したバナナ
離乳食後期になると、手づかみ食べを取り入れていきます。この手づかみ食べ、赤ちゃんに任せると食卓周り、赤ちゃんの体全身がグッチャグチャになるので「なかなか取り組みにくい」と思う親も多いです。しかし、この手づかみ食べがとっても大切。手づかみで食べ物を触ることは五感を刺激します。五感を刺激すると「自分で食べたい」という意欲が増進! 手先も器用になり、その後のスプーンも上手に使えるようになります。
〇離乳食完了期(12~18カ月)
・回数 1日3回 おやつ 1日1~2回
・授乳 ミルク 1日2回 母乳 徐々に減らす方向
・離乳食 : 母乳・ミルク 7:3~8:2
・食べ物の固さ 少し力を入れてつぶせる、歯茎でつぶせる(目安)バナナ
・食べ物の形状 軟飯~普通飯 他食材は1センチメートル
離乳食完了期になると、栄養の大半を離乳食で取れるようになります。自分で食べたい意欲もさらに増えるので、手づかみ食べに加え、スプーンなどの道具を使って食べます。親は、手伝いばかりせず、さりげないサポートをしながら赤ちゃんの食べたい意欲を尊重しましょう。
人生80年あるとして、離乳食はその食事の土台を作るもの。1日3回訪れる食事が「楽しいな」と思える子に育ってほしいので、親も赤ちゃんも100点満点を目指さず、50点満点目標で進めてみてくださいね。
※AERAオンライン限定記事
◯中田馨
なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。