赤ちゃんが産まれると「母乳育児をしたい」と思いう人が多いでしょう。母乳育児と聞くと、赤ちゃんの幸せそうな顔、ママの穏やかな微笑み、そんなイメージが浮かびませんか?
でも、実際は幸せなイメージだけではありません。ずっと抱っこしていて腕や肩が痛い。乳首がこすれて痛い。赤ちゃんが母乳しか飲まないので赤ちゃんを預けて外出ができない。赤ちゃんにとって「質のいい母乳」を出すために、油っこいもの、甘いものは我慢。お母さんの食事管理や時間管理をしながらの授乳、赤ちゃんがちゃんと飲んでいるか確かめるための体重計測。母乳だけで育てようと思うと、さまざまなことが起こり、考えなければいけないこともたくさんあります。今回はそんな母乳の質について考えます。
■母乳が軌道に乗るまでには3カ月
母乳は吸えば吸うほど出る仕組みになっています。赤ちゃんがおっぱいを吸うと乳頭に刺激がいきます。そうすると脳のプロラクチンが作動しておっぱいが出るのです。ですので、吸えば吸うほどお母さんの脳は母乳を作る伝達回路が作動します。
赤ちゃんを産むまで私は、てっきり、「産めば自然に母乳が出る」と思っていたため、生まれてすぐの長男の授乳時には、ほとんど出ない母乳に「どうして?」と悩んだものです。赤ちゃんが飲む量と母乳の需給バランスが整うのには、なんと3カ月くらいかかるそうです。最初は赤ちゃんもお母さんも初心者。うまくいかないことは当たり前で、母乳も最初はなかなか出ないこともあります。軌道に乗り始めるのに3カ月かかると知っていれば、必死になりすぎなくてもいいことがわかり、気持ちがラクになりますね。
■質がいい母乳って?
保育所では、働きながら母乳育児をしているお母さんもいます。仕事をはじめて間もないころによくあるトラブルが「乳腺炎」。休憩時間に搾乳しているけれど、それでは間に合わないのです。中には「働き始めるとランチは外食するので油っぽい食事が多かったかな」なんて反省するお母さんもいます。