「(与那覇は)最高の相手だと思います。ボクサーとして質が高くて、日本タイトルを狙うような強い選手。勝ち負けを含めたリスクはありますが、天心のポテンシャルを測るという意味でも後につながる試合です」
「我々は(天心が)普段からどういう練習をしているかを知りません。パフォーマンスのレベルもわかりません。帝拳ジムは冷静に分析して、『この選手なら大丈夫だろう』ということから組んでいる。(天心は)現時点でも相当、レベルが高いのだろうと思います」
●「天心vs与那覇」の勝敗はわからない
ボクシングのライセンスにはA級からC級までが存在する。C級は4回戦、B級は6回戦まで、そしてA級は12回戦まで試合をできるが、その間にはかなりの距離(レベル差)があるという。
「スピード、スタミナ、テクニックなどが全く違う。例えば、4回戦と6回戦の試合はそこまで差はないが、8回戦は異なる。さらに日本ランカーになれば上の次元。デビュー戦でレベル差があるのはきつい。天心はボクシングの実戦経験がないですから」
「与那覇はパンチもある危険なボクサー。1度引退のような形でトレーナーをやりながら復帰したらしいが、こういう選手はさらに強くなる。自分が教える立場にいたから、客観的に見れて深みがわかる。会見ではリスペクトは忘れないまでも、『超大物を食う』と言っていた。相当ハードな試合になりそうで、勝敗はわからない」
帝拳ジムの期待度の大きさは、プロテスト時から際立っていた。B級選手との対戦でライセンス交付の有無を決めても良かったが、A級トップクラス選手、日本バンタム級ランク1位の南出仁(セレス)が当てられた。
「ボクシングとキックは間合いもバランスも違うので、習得に時間もかかります。プロテストの相手としてトップクラス選手を選んだのには驚いた。しかし天心は遜色なく戦い、良いパフォーマンスをしました」
「海外を含め、強豪選手のデビュー戦からの対戦相手も見て欲しい。決して特別な相手とはやっていません。通常は連戦連勝で勝ち星を重ね、実績と自信をつける。そしてタイミングを見極め勝負をかける。最初から強くてリスクある相手とやることはあまりないです」